仮想環境への SLAX インストール手順(VirtualBox)


今回は SLAX を仮想環境にインストールする手順を作成しました。
SLAXSlackware ベースのLiveCD Linuxです。SLAX には Ubuntu のようなウィザード形式のインストーラはありませんが、パーティション作成、データのコピー、LILOインストーラの実行を手動で行うことにより、ハードディスクからSLAXを起動することができるようになります。

本手順作成にあたり、下記のページを参照させていただきました。

ホストOSの環境

今回作業を行ったホストOSの環境です。

isoファイルをダウンロード

Get SLAXからisoファイルをダウンロードします。本手順では「slax-6.1.2.iso」をダウンロードして使用しました。
日本語版SLAXを使用する場合はSLAX-jaのダウンロードからisoファイルをダウンロードします。

仮想マシンの作成

下記手順にて仮想マシンを作成します。ハードディスク容量は8GB、メモリは256MBとしました。

仮想マシン名とOSタイプの設定

VirtualBox の画面左上の New ボタンをクリックするとウィザードが開始されますので、 Continue をクリックします。

Name のエリアに仮想マシン名を入力します。下の画像では仮想マシン名を”SLAX-6.1.2”としています。OS Type のエリアでは、Oparating System を ”Linux”、Version を ”Linux 2.6” とします。

メモリ容量の設定

メモリの設定は”256”として256MBに設定します。メモリ容量が少ない場合は後で設定変更が可能です。

ハードディスク容量の設定

仮想ハードディスク設定の画面です。仮想OS起動用のハードディスクとするので、”Boot Hard Disk”にチェックを入れます。新規に仮想ハードディスクを設定するので、”Create new hard disk”にチェックを入れて Continue をクリックします。

仮想ハードディスク(ディスクイメージファイル)作成ウィザードが起動します。Continue をクリックします。

ディスクイメージファイルのサイズを固定とせず、イメージファイル内のデータ増加に伴ってイメージファイルのサイズも増加するようにするため、”Dynamically expanding strage”を選択します。Fixed-size strage とした場合は、固定サイズ(仮想マシンのハードディスク容量を8GBとした場合はおよそ8GBのディスクイメージファイルが作成される)のディスクイメージファイルが作成されます。

ディスクイメージファイルの設置フォルダとサイズを設定します。Location にはデフォルトで仮想マシンの名称(SLAX-6.1.2)が入力されますので、特に変更しません。サイズについては8GBとしました。変更することも可能です。

ディスクイメージファイルの設定確認画面が表示されます。ディスクイメージファイルの設置フォルダはデフォルトで「/Users/<ユーザ名>/Library/VirtualBox/HardDisk/」となるようです。

設定の確認

仮想マシン設定の確認画面が表示されます。内容を確認して Done をクリックします。

仮想マシンの設定

仮想マシンのCD/DVDドライブにメディア(isoファイル)をセットします。

VirtualBox 画面にて SLAX-6.1.2 を選択し、画面左上の Settings をクリックします。仮想マシンの設定画面が表示されまので、Strage のタブを選択して Strage画面を表示します。CD/DVD Device の部分が”Empty”となっていますが、その右の黄色いアイコンをクリックします。

Virtual Media Manager が起動します。画面左上側の Add ボタンをクリックします。

ファイル選択画面が表示されますので、SLAX-6.1.2 の isoファイル(slax-6.1.2.iso)を選択します。

Virtual Media Manager の画面内に isoファイルが表示されるようになりました。slax-6.1.2.iso を選択した状態で、Select ボタンをクリックします。

仮想マシン設定画面、Strage画面の CD/DVD Device 部分に isoファイルの名前が表示されるようになりました。OKをクリックして仮想マシン設定画面を閉じます。

以上で仮想マシン設定は終了です。

インストール

仮想マシンSLAXをインストールします。

パーティションの設定

VirtualBox 画面にて SLAX-6.1.2 を選択し、画面左上の Start ボタンをクリックして仮想マシンを起動します。起動方法の選択画面が表示されますので「Slax Text mode」を選択します。


しばらくすると起動が完了しログイン可能な状態になります。ユーザは「root」パスワードは「toor」です。


fdisk コマンド*1を使ってパーティション設定を行います。本手順でのインストール先ハードディスクデバイスは「/dev/sda」となります。お使いの環境にあわせて読みかえてください。下記のコマンドを実行します。

fdisk /dev/sda



m と入力してEnterで fdisk のコマンド一覧を表示します。


n コマンドを使って SLAXのインストール先パーティションと swap領域のためのパーティションを作成します。 仮想マシンのメモリを256MBに設定しましたので、swap領域はおよそ500MBほどになるように設定します。



p コマンドでパーティションテーブルを表示します。

swap領域として設定したパーティションパーティションシステムIDが 83(Linux)となっているので、変更する必要があります。


l コマンドでパーティションシステムの一覧を表示します。Linux swap の パーティションシステムID は 82 であることがわかりました。


t コマンドを使って swap領域のパーティションシステムIDを 82(Linux swap)に変更します。


a コマンドを使って SLAXのインストール先パーティションに boot フラグを設定します。

最後に w コマンドを使ってパーティションテーブルをハードディスクに書き込みます。


パーティション設定後は一度再起動します。(shutdown コマンド利用可です)



パーティションのフォーマット

再起動後はパーティションをフォーマットします。

SLAXインストール先のパーティションext3 でフォーマットします。以下のコマンドを実行します。

mkfs -t ext3 /dev/sda1



swap領域を作成します。以下のコマンドを実行します。

mkswap /dev/sda2
swapon /dev/sda2




データのコピーと LILO インストーラの実行

上記にてext3フォーマットしたパーティション(/dev/sda1)にCD-ROM内のデータをコピーします。CDドライブは初期状態で /mnt/hdc にマウントされています。
/mnt ディレクトリに HDD ディレクトリを作成し、/dev/sda1 をマウントします。その後、CD-ROM内のデータをすべてコピーします。以下のコマンドを実行します。

cd /mnt
mkdir HDD
mount /dev/sda1 /mnt/HDD
cp -pR /mnt/hdc/* /mnt/HDD




データコピー終了後は、/mnt/HDD/boot/ ディレクトリにある liloinst.sh を実行します。以下のコマンドを実行します。

cd /mnt/HDD/boot
sh ./liloinst.sh

コマンドを実行すると下記の画面になります。MBR領域が上書きされる旨表示されます。そのままEnterします。



LILOインストールが終了しましたのでEnterします。ここで一旦OSを停止します。



SLAX-6.1.2の仮想マシン設定画面を開きStrageタブの CD/DVD の部分を Empty にします。仮想マシンのCD/DVDドライブ内にはメディアがない状態になりました。


SLAX をハードディスクにインストールすることができました。

SLAX を起動

VirtualBox 画面にて SLAX-6.1.2 を選択し、画面左上の Start ボタンをクリックして仮想マシンを起動します。
しばらくすると起動が完了しログイン可能な状態になります。ユーザは「root」パスワードは「toor」です。



ログイン後に startx コマンドを実行すると、Xwindow システムが起動し、KDE画面に変わります。



KDE画面です。通常のKDEと同じように操作できます。



ブリッジ接続の場合はホストOSと同じセグメントのIPアドレスDHCPサーバから取得します。VirtualBoxでのブリッジ接続についてはVirtualBox でのブリッジ接続設定手順についてをご参照ください。


Twitter の設定画面をFireFoxで表示しました。


仮想環境への SLAX インストールについては以上となります。

*1:fdisk コマンドの詳細についてはこちらのページが参考になります。